『実家暮らしのホームズ』加藤鉄児著
タイトルが魅力的だったので読んでみたミステリー小説。
タイトルにホームズとあるくらいなので、あの有名なシャーロックホームズ並みにドキドキハラハラするお話かなと思っていたのですが、思っていたよりゆったりとした空気の流れるミステリーでした。
主人公は実家に引きこもる24歳の天才
とあるミステリークイズ大会の予選で、トップの成績を残しながらも行方をくらませた青年が、クイズ大会の主催会社を欺いた代償として、さまざまな事件の解決に協力するのがこの物語の始まり。
主人公の部屋には小学生の頃から使っている学習机とベットが置いてあり、いわゆる"子供部屋おじさん"のような引きこもりの生活空間が広がっています。
ただ、普通の引きこもりと違うのは、さまざまな分野の書籍やフラットファイルが床に積まれていて、本人の風貌は清潔感のあるところでしょうか。
主人公はさまざまな分野の知識にも精通しており、基本家から出たがらないですが、事件のこととなると比較的アウトドアな一面を見せます。
主人公はさまざまな分野の知識にも精通しており、基本家から出たがらないですが、事件のこととなると比較的アウトドアな一面を見せます。
この辺りはかの有名なシャーロック・ホームズと似ていますね。
ワトソン役は二人?
主人公と行動を共にするのは2人。
1人はクイズ大会の主催側の人間(女性)。
もう1人は警察官(男性)。
メインは女性の方かな。
天才である主人公についていくのが大変そうな2人ですが、この2人のおかげで読者は主人公の推理スピードについていくことができます。
天才ではありながらも、子供っぽさの残る主人公に翻弄されながらも、事件解決のために協力してくれる2人は、助手や相棒というよりも子守り役という方があっているかもしれません。
シリーズの予感も・・・
本作では、いくつかの事件を解決してきましたが、クイズ大会の主催との関係性はこれで切れるというわけではありません。
この先も欺いた代償を払うべく、事件を解決し続けなければならないような終わり方だったので、シリーズになりそうな感じがします・・・!
総括
個人的にはタイトルで期待し過ぎてしまった感がありました。
もちろんこのスタイルが好きな人はたくさんいると思うのですが、自分の好みのミステリーではなかったかな?
ドキドキハラハラというよりは、ゆったりとした空気が流れていた印象でしたし、トリックなども緻密ではあるけれどスカッとするような気持ちよさはあまりない・・・。
なんというか、淡々とパズルを組み立てていく感じでした。
シリーズになったとして読み続けるかは少し迷いそうです。
ただ、主人公の設定などは面白かったので、コミカライズとかアニメ化とかされそうな作品だな〜なんて思いながら読んでいました。
実写化もしやすそう。
基本的にどの作品であっても、私個人としては実写化反対ですが・・・。
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