医学部生ってすごい『悩め医学生』感想

2024-07-09

小説

t f B! P L

 『悩め医学生』中山裕次郎




泣くな研修医シリーズの第5作目

私は1作目の『泣くな研修医』から読んでいます。



このシリーズは、お医者さんの葛藤や成長が描かれている物語で、今作の『悩め医学生』では、主人公の医学部時代の様子が描かれていました。
これまでは、研修医時代を経て医者として頼もしく成長していく姿が描かれていましたが、今回の医学部生時代を見ていくのはかなり楽しみでした。
まだ、医者としての苦悩を経験する前の学生時代。
読みながら、医学部ってこんな感じなのかなぁと想像を膨らませることができて、なかなか面白かったです。

医学部生ってすごい

一般の大学生に比べると、学ぶことの精神的・肉体的負担が桁違いで、世の中のお医者さんはみんなこれを経験しているのかと思うと、畏敬の念に堪えません。
ただ、一口に医者と言っても、人間性は十人十色。
私がこれまで接してきたお医者さんは、優しくて細かいところまで気にかけてくれる人ばかりでしたが、高圧的だったりきちんと話を聞いてくれなかったりする先生も多いと聞きます。
医学部で同じ経験をして、どれだけ辛いことをこなしていても、人間性は偏らないのがなんだか不思議だと思いながら読み進めていました。

舞台は鹿児島にある医学部

主人公の通っていた学校は、鹿児島にある大学の医学部。
私は生まれも育ちも東京なので、作中の地方の雰囲気に関する描写が興味深かったです。
鹿児島の日差しは「暑い」ではなく「痛い」なのか・・・など。

本作の医学部には年齢や出身がさまざまな同級生が出てきますが、東京から来た同級生がすごくおしゃれな人のように描かれていました。
確かにその登場人物はオシャレな人間なんだろうなと思いますが、実際東京にいるからと言って垢抜けるわけでもなく、芋っぽい東京人も沢山います。
東京は人口が多い分、垢抜けている人の数も芋っぽい人の数も多いのだ!
東京の人はハイセンスだという概念は、一度取っ払ったほうが良いのでは!?と、色々な作品を読んで思う今日この頃です・・・。笑

シリーズものならではの読み返したくなる作り

第5作のエピローグが、第1作に繋がっていて、『悩め医学生』を読んだ後に『泣くな研修医』が読み返したくなる作りは、なかなか好みでした。
シリーズものって、長くなればなるほど最初のエピソードの記憶が曖昧になってしまいがちですよね。
過去に読んだエピソードを持ってきてもらうことで、「あれなんだったっけ」と読み返す機会ができるのは、シリーズものならではの楽しみですね。

気になる続編も

シリーズの第6作目の『外科医、島へ』もすでに発売されていますが、まだそちらは読んでいないのです・・・。
続編も気になるので、今度本屋で探してみようかなと思っています。


余談

そういえば『泣くな研修医』はドラマ化されていたと記憶しているのですが、他のシリーズもドラマ化されるのでしょうか・・・?

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教養のある人になりたい「私」が読書を通じて教養人になる様子を記録しています。 小説や経済書などいろんなジャンルを紹介します。 ガジェット類など、本以外のことも時々(頻繁に?)載せていきます。更新頻度はまちまちです。

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